【対談】Podcast と EPUB のいま


MP3 2010年の12月にも一度、Podcastで対談をさせてもらったインストラクショナル・デザイナーの境佑司さんとの対談。 3/10に名古屋で行われた「WCAN 2012 Spring」での懇...

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【対談】Podcast と EPUB のいま

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2010年の12月にも一度、Podcastで対談をさせてもらったインストラクショナル・デザイナーの境佑司さんとの対談。

3/10に名古屋で行われた「WCAN 2012 Spring」での懇親会での突発的な収録です。WCANでの境さんのセッションのテーマが「イーブックデザイナー(電子書籍デザイナー)の仕事/HTML5 ブックデザインの可能性」。1月に『EPUB 3 スタンダード・デザインガイド』を発売しているということで、Podcastの話から電子書籍やEPUBの話になっています。

居酒屋での収録ですので、録音状況は良くなく、やや聴きにくいですが、個人的には非常に面白い話でした。


以下、内容の抜粋。

・境さんのPodcastは、ニフティのPodcastサービス「Podcasting Juice」が2011年9月30日に終わってしまったことの影響で一時中断していましたが、Wordpressを使って昨年末に再開。(Weekly eBook Strategy)
・私の場合は、Movable Typeを使って独自配信をしてたので影響はなかった。
・Podcastは、ややレトロな技術になってきた感じがあるけど、Appleは依然、カテゴリーとして残してiTunes UではPodcastの技術を中心に使っている。
・前回の対談でも、境さんの講演はPodcastを聴いて依頼する方が多いと言っていたが、中断している間も過去のアーカイブの音声を聞いての依頼が多く、Podcast経由での依頼が多いのは変わっていない。
・Ustreamで配信したものもアーカイブはされているが、Podcastのアーカイブのほうが影響がある。
・動画よりも音声のほうがアーカイブを聴く負担が少ないのでは。(移動しながら聴けたりしますし)
・私の場合、収録は10分くらいを目安だが、Audiobooの収録の場合は制限の5分くらい。
・普段はAudiobooで5分以内の収録を、自分のサイトから再配信している。
・Audioboo以外の同様のサービスはなくなっていったかも。Audiobooはよく出来ている。
・初期からPodcastをやっていて、まだ続けてる人は減ったけど、何人かいますよね。
・しかし、海外のWebの情報を集めるときは、Podcastは非常に重要な情報源。情報サイトもちゃんとPodcastを用意している。
・Podcastを第三者が文字起こしをするということも普通に行われている。
・日本は逆にUstreamだとそういう動きはあるかも。
・企業のPodcastも一時期あったけど、長く続かなかった場合が多く、そのあたりを率先してたのがニフティだったので、ニフティがやめてしまってますますオールドメディアな感じになってしまっている。
・じつは、時間が無いときほど文章を考えるよりPodcastで話すほうが情報発信がしやすい。(個人差はあるでしょうが)
・境さんも私も外で移動しながらの収録が多いですね。
・境さんはPodcastのテーマを電子書籍に絞ったことで、より強力なメディアになった。
・私は特に絞ってないです...。自然と電子書籍やApple関係やFacebookなどが多いですが。
・昨年Facebookの本を書いてライターデビューしましたが、話をくれた人はじつはPodcast繋がりの方。
・個人で電子書籍を発行したのもきっかけにはなった。
・Facebookは本を書いたけど、機能の変更が激しいので、Facebookページで補足サポートをしていますが、電子書籍を補足メディアとして使ってみたいですね。
・スピードパブリッシングが、電子書籍で一番利益が出ている分野かもしれない。
・iBooks Authorが発表された翌日に、Kindle StoreでiBook Authorの本が出され、Twitterなどで一気にクチコミで広がった。売れる期間は短いかもしれないが、いま皆んなが興味があることをスピードパブリッシングするのは効果的。
・Facebookの機能変更について、スピードパブリッシングでやってみたい。
・電子書籍の場合、紙の書籍よりもページ数が少なくてもボリュームは十分。パブーなどのストアから売っても良いのでは。
・米国では、誰でも考えそうなことだけど、すぐやってしまうのが凄い。
・iBooks Authorは、まだ制限なども多いけど一般の方や教育関係の方で興味を持つ人が多い。
・iPadだけでしか見れないのでも構わないと反応が予想以上に多い。
・やはり、このツールは期待させるものがある。
・いま、EPUB3のリーダーはそんなにない。日本ではACCESSというところがプレビュー版を完成させているが、まだ一般公開されていない。
・また、電子書籍標準化団体のIDPFがリーディングシステムをオープンソースで作ろうとしている。
・しかし、全体的に動きが遅い。
・海外のものはいくつかあるが、日本語のことは考えられていないので、日本語の表示がおかしく、ちゃんと見れないものが多い。
・カナダの電子書籍事業者Koboを楽天が買収しましたし、AmazonのKindle storeもまもなくかなと。Kindle storeはEPUBで入稿できるので、このへんの動きがあれば面白くなるのでは。
・EPUBファイルの作成は、境さんはDreamweaverで行っている。私はテキストエディタ(Jedit Xです)。
・FUSEeやSigilなどを使えば必要なXMLファイルも自動で作ってくれるが、EPUB3や少し凝ったものを作っていくには、自身でテンプレートを作っていってやっていくしかない。
・海外でも最初はエディタを使って作っていっているよう。
・境さんもセッションで紹介していた「Hype」は私も使ってみていた。iBooks Author形式やHTML5で書き出しが出来るので、EPUB3にも使える。
・「Hype」に似たようなものは他にもあるが、現状では「Hype」が使いやすい。
・セッションでも提案されていた、EPUBのショーケースサイトなどもEPUBの受注をしていくには考えたほうが良いだろう。


ちなみに、この後、「Himawari Reader」の作者である。グリーンフィールド株式会社の中野さんを交えての話もあったのですが、ちゃんと録音されていなかったのが残念。

しかし、ここでの話をきっかけに、Himawari Readerは先日バージョンアップし、EPUB3に対応してます。純国産(名古屋製)ですし、一番まともなEPUB3リーダーかもしれません。

(ちなみに、アートワークの写真提供も中野さんです)


EPUB 3 スタンダード・デザインガイド
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