メンバーの完成度が高すぎる『ボヘミアン・ラプソディ』
昨日から日本でも上映となった映画『ボヘミアン・ラプソディ』をレイトショーで観てきた。
クイーンのボーカルであった故フレディー・マーキュリーを中心に描いた伝記映画と言える。音楽プロデュースとしてギタリストのブライアン・メイとロジャー・テイラーも関わっているというので、クイーンファンとしては気になっていた作品だ。
ブライアン・メイのギターが好きで、特に初期の4枚の作品と「ジャズ」あたりをよく聴いたが、最初に聴いたアルバムは「イニュエンドウ」だった。フレディが生きている時のラストアルバムだ。死後リリースされた「メイド・イン・ヘヴン」も良いアルバムだが、「イニュエンドウ」はフレディの死後、やはり意味深いものとなった。
ただ、楽曲としては初期の頃が好きで、じつは「Keep Yourself Alive?(邦題:炎のロックン・ロール)」はライブでボーカル・ギターで演奏したことがある。ブライアン・メイ作曲の作品だ。しばらくブライアン・メイの6ペンスコインを真似て、ピックの代わりに10円硬貨でギターを弾いていたほどだ。
ブライアン・メイのソロアルバムやクイーンのライブ盤なんかもよく聴いた。
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予告映像で一気に観たくなる
少し前に映画の予告映像を観て驚いた。フレディそっくりだ。なんだろう、顔なども似せてるが、動きや仕草がそっくりだ。どうやらライブ映像などを観ながら、歩き方や仕草を徹底的に似せていったようだ。前評判も悪くない。ていうか、フレディ以外のメンバーも似ている。ブライアン・メイも似てる。ギターの弾き方なんかも似てる。
メイキング映像を観たら、ブライアン・メイ自身にギターを教えてもらってる。羨ましすぎる。そして、ブライアン・メイも似てると絶賛している。ライブシーンなど本人たちの映像かと思うほど迫力がある。気になっていた程度から一気に観たくなった。
ということで、初日にレイトショーだが足を運んだわけだ。
思ってたんと少し違う、けど
予告映像などを観て、これを大画面で観たら、すげーテンションが上がるだろうな。そんな思いでワクワクして劇場に足を運んだのだが、冒頭から見事に打ち砕かれた。
ネタバレになるからあまり書かないが、今回、バンド結成からライブエイドまでを描いているとは知っていたが、最初にライブエイドのステージ直前から始まるわけだが、もちろん、フレディの結末は知ってるわけだ。その予兆というか、重い陰や孤独感のようなものが作品中ずっとあるわけだ。嫌な感じがずっとある。それがどうなるかも、もちろん知っている。
その中で、作り上げる作品や演奏シーンは素晴らしいもの。ここでも、ふとあまりにも似すぎてて、本当のドキュメント映像かと思ってしまうような完成度。クイーンのファンであっても、そりゃビブラートのかけ方がちょっと違うな、とかはあれど、ぜんぜん許容範囲。いや、ここまで再現してくれてありがとうと感謝でしかない。
けど、全体的にはやはり暗い陰がずっとのしかかっている。
そして、映画の最後ではライブエイドの出演シーンに戻っていくわけだ。そこでは、4曲ほどフルに演奏シーンが入ってくる。そのライブエイドのシーンが、会場や観客も含めそのステージの再現率が半端ない。実際の映像は観れていないし、クイーンのライブは観たことがないのだが、映画館の大画面でもうほぼクイーンな人たちの迫力なステージは没入感がすごかった。目頭が熱くなるものがあった。
本人そっくりの人たちでクイーンの楽曲を大画面で観てテンションをあげる気持ちで来てたけど、フレディの人生をがーっと詰め込んでクイーンの渾身の演奏を完璧に再現した映像は圧巻でしかなかった。いやーすごかった。
YouTubeにあったライブエイドの時の映像。ほんとまんまだった。
しかし、最初、小学生の息子と一緒に観に行こうか迷ってたけど、子どもと一緒に観るには観にくい映画だった。また観たいけど。観るならひとりで観たい。
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